危険だ詐欺だど揶揄されがちな激安通販サイト「Temu(テム)」
そんなTemuの日本語版公式アプリの安全性や口コミについてまとめてみた。
「アプリをダウンロードしてしまったけど大丈夫?」「個人情報が抜かれてしまう?」と様々な疑問があると思うが、筆者がこれまでクレジットカードを捧げてTemuを4か月間利用してきた上での経験も交えて回答したい。
Temu公式アプリは危険なの?
結論、危険ではない。
実際、2022年から存在しているTemuであるが、2024年8月現在で個人情報漏洩や、情報の抜き取りは報じられていない。
ただ、たったこれだけの情報で危険でないと結論付けても、納得できない方がほとんどだろう。
ここからは具体的にTemuが危険ではない理由について、具体的にお話ししたい。
支払方法に関する安全性
出典:Temu
Temuでは、以下の支払い方法が使用できる
- クレジットカード・デビットカード
- PayPal
- Apple Pay
- Google Pay
- コンビニ払い
Temuの公式サイトによれば、購入時のクレジットカード情報は「PCI DSS」というセキュリティ基準に沿って運営管理されていると記載がある。
PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)とは、クレジットカード情報のセキュリティを保護するための国際的な基準のことである。
近年の電子取引の普及に伴い、クレジットカード情報の漏洩、不正使用が増えているため、大手カードブランド5社(VISA、MasterCard、American Express、Discover、JCB)が共同で「PCI SSC」という会社により運用されている。
注目してほしいのは、日本発のクレジットカード国際ブランドの「JCB」も噛んでいるということ。
我々日本人にとっては、日本企業も絡む安全基準に準拠していると聞くと、安心感があるかもしれない。
それでも不安、という方もいるだろう。
そんな方へは、セキュリティ対策がなされているPayPal(ペイパル)やコンビニ払い(現金)を選ぶとよいだろう。
これらを利用すれば、Temuに直接クレジットカード情報を握らせることはない。
個人情報に関する安全性
出典:Temu
急速に拡大したTemuに対し、「個人情報保護」に対する心配の声が尽きないことは当然である。
Temuサイドもそんな消費者の心配を理解しているようで、以下のような取り組みをしている。
HackerOneと提携
2023年11月、サイバーセキュリティ機関「HackerOne」と正式に提携した。
HackerOneは企業とホワイトハッカーをつなぐプラットフォーム。
サイトのセキュリティ上の脆弱性を発見したハッカーに対し、企業が報奨金を支払う仕組みだ。
大手企業でも数人の小さなグループからのサイバー攻撃を受けてしまうように、結局のところ企業のセキュリティレベルを上回るのは個人であることが往々にしてある。
そんなハッキングの技術を持つ個人が報奨金のために脆弱性を血眼になって探すわけだから、一般企業と比べセキュリティレベルが向上することに疑念の余地はないだろう。
日本企業においても、任天堂やトヨタといったグローバルな大企業がこのHackerOneを利用している。
Anti-Phishing Working Group に参加
2024年4月にTemuは、「Anti-Phishing Working Group(APWG)」に参加した。
APWGは2003年に非営利団体として設立された、アメリカに本拠地を置く、世界最大のフィッシング詐欺対策業界団体である。
当団体は、1800を超える組織、企業らが参画し、3300人以上のメンバーによって構成されている。
この中には、日本のみならず、世界を代表するIT企業が多くみられ、Temuもその一員ということに。
まだTemuは生まれて間もないが、こういった面からもセキュリティ面へは高い意識を持っていると見える。
Temuの評判、口コミ
ここまで安全性については何となくご理解いただけたかもしれないが、それでも
「ニュースになってないだけで本当はよくないことも起きてるんじゃないの?」
そう思う方もいるはずだ。
Temuで買い物をした人の口コミやレビューをSNS上で見てみると、以下のような声が挙がっていた。
- 注文してから1週間もせずに届いた
- 注文したものがちゃんと届いて驚き
- 作りはあまりよくないが、想像したものが届いた
- 破損していた商品分はちゃんと返品してもらえた
- 返金対応がはやい
商品に関してや、Temuの対応に対しては比較的満足した声が多かった。
一方で、Temuアプリのレビューに関しては「個人情報が洩れる」「知らない番号から電話が来るようになった」といった悪評も見られる。
しかし、これらの悪評は根拠のあるものではなく、実際にTemuアプリの影響で情報漏洩が発生したことを裏付ける内容のものは見つからなかった。
そもそも、知らない番号からの電話は割とあることと思うし、むしろ筆者はメルカリで買い物をしたら債権回収会社から執拗に電話が来るようになり困り果てたことがある。
これに関しては同様の声がいくつか見られたため何か原因があるのだろうが、Temuではそういった苦い思いは一切していない。
新しいものはまず疑う。
これが日本人がここまで安全に繁栄してきた要因の一つであるのだろうから、今Temuはその波に揉まれているだけに過ぎないのだろう。
Temuの安さ、5つの秘訣
出典:Temu
ここまでTemuの安全性について説明してきたが、Temuが危険と揶揄される一番の原因といってもいいだろう、価格についても言及したい。
Temuは「Shop Like a Billionaire(億万長者気分でお買い物)」をコンセプトに掲げる通販サイト。
怪しい商売や詐欺をして安さを実現しているわけでなく、様々な工夫と企業努力によって実現しているため、以下に簡単にまとめていく。
仲介業者を使わない
Temuは中間業者を介さずに、メーカーから直接商品を仕入れる仕組みをとっている。
これにより中間マージンが発生せず、商品価格が安くなり、筆者のような貧乏人が喜ぶ仕組みだ。
従来はECサイトに限らず、販売店は複数の中間業者を挟むことで価格が上乗せされてきた。
Temuはこの過程を省くことで筆者を喜ばせてくれているのだ。
大量仕入れ
Temuは商品を大量に仕入れ、商品1つ当たりの価格を大幅に下げている。
これは、世界約60の国と地域で展開し、顧客が多いからこそできることである。
これによって、ユーザーに対し、低価格で商品の販売ができているのだ。
Temuが手数料を負担
Temuは、Amazonや楽天などの大手通販サイトと同様に、加盟店による出店形式をとっている。本来、加盟店は通販サイトに手数料を支払うため、加盟店は商品価格にその手数料を反映する。
しかし、Temuはその手数料を自ら負担することで、商品価格に手数料が上乗せされない仕組みをとっている。
また、ユーザーが最低注文金額以上の買い物をすることで送料無料となり、海外発送の送料はTemuが負担する格好となる。
価格競争の仕組みを導入
Temuは、各加盟店が提示した商品、価格をチェックし、審査を通過した商品のみを販売する。
これ自体は普通の通販サイトと変わりないが…
Temuは複数の加盟店が同様の商品を提示した場合、価格の高い方は販売停止となる可能性がある。
これにより加盟店はより安い価格設定をする必要があり、結果価格競争が発生する仕組みとなっている。
実店舗を持たないことで、運営コストの削減
Temuは運営コストを抑えるため、実店舗は一切持たない。
ECサイトでは標準的な取り組みであるが、実店舗を持たないことで、店舗でかかる賃貸料、人件費、光熱費を削減している。
また、広告もオンライン広告を活用することで、宣伝費用も抑え込んでいる。
Temuアプリの利用方法
出典:Temu
Temuについて、ここまで長々とお話ししてきたが、じゃあTemuアプリで買い物をするにはどうしたらいいの?
という疑問にお答えして本記事を締めくくりたい。
Temuは安さが売りであるうえ、初回限定の15,000円クーポンが新規アプリユーザーは使用できるため、このクーポンは逃さず獲得することを先におすすめさせていただく。
筆者はこの初回限定のクーポンを使用せずに今を迎えるというジャッキーチェンも驚きのNG行動をやってのけたので、皆様には同じNG集に収録されないようお気を付けいただきたい。
お得なクーポンのお話も済んだところで手順の説明に移りたい。
- Temuアプリをインストール
- スマホの通知設定(許可するか否か)
- 買いたい商品をカテゴリや検索窓から探す
- 商品をカートへ追加する
- 配送先住所を選択、もしくは新規追加
- 支払方法を選択 ※クーポンコードを入力
- 注文確定
大まかな使い方は大手ECサイトと変わりない。
注文を確定、支払いが完了すると、注文商品の追跡番号が発行される。
怪しいといわれるが、こうして追跡番号なども問題なく発行され、ヤマト運輸で配送状況が確認できる番号もアプリから確認できるため、非常に安心できる。
ちなみに、領収書が欲しい場合には、配送先住所に入力した名前が反映されるため、経費で購入する必要がある場合には、要注意だ。
支払いまで完了すればあとは商品の到着を待つのみ。
謎の灰色の袋に入った商品の到着を待とう。
まとめ
ここまで安全性やTemuの取り組み等について解説してきた。
改めて筆者からは、決して危険ではないということをお伝えさせていただきたい。
もちろん、日本においては発展途上の通販サイトであるからこそ、注意しなければならない点も多いが、消費者が注意しなければならないのはなにもTemuに限った話ではない。
自分が許容できる範囲で、利用するのが消費者の務めであるからこそ、薄給で背に腹代えられない状況の筆者はTemuを頻繁に利用するのだ。
今後も貧乏人代表の筆者が、Temuの商品やサービスについて紐解いていきたい。
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